精神医学情報

カフェインはうつ病予防に効果があるのか?

カフェインがうつ病の予防にいいのではないかという話は以前からされています。実際はどうなのか見ていきたいと思います。

カフェインといえばコーヒーですが、それ以外にも多く含まれています。カフェイン入り清涼飲料水が登場し始めたのは1800年代後半で、ドクターペッパー、コカコーラ、ペプシと続いています(ABA 2008)。現在では、世界の約8割近くが毎日カフェイン入りの製品を摂取しているようです(Ogawa 2007)。

世界で消費されているカフェインの8割はコーヒーですが、それ以外にも紅茶やお茶、コーラ、エナジードリンクなど様々な製品にカフェインは含まれているので納得です。 カフェインには、覚醒したり、疲れた後にも集中力が上がるなどの効果が知られています(Smit 2002)。糖尿病やメタボなどのリスクを減らすことも言われています(Hino 2007)。

では、うつ病についてですが、うつ病に関してもカフェインのプラスの効果は色々と言われています。有名な研究だと、ハーバードで行われた研究でアメリカの女性約5万人を10年間追ったところ、コーヒーを1日2杯以上飲む女性では、うつ病となる割合が約2割ほど減少するという報告がなされました(Lucas 2011)。

その後、この研究も含めたメタ解析が行われています(Wang 2015)。そこでは、コーヒー摂取330677人、カフェイン摂取38223人を対象とし、コーヒーまたはカフェインの摂取が成人のうつ病リスクの低下と有意に関連しているかどうかをみています。

その結果、カフェインまたはコーヒーの摂取でうつ病のリスクは下がることがわかり、特にコーヒー摂取量が1日1杯増加するごとに8%減少したそうです。

ただ、なぜコーヒーやカフェインでうつ病のリスクを予防できるのかは完全にはそのメカニズムはわかっていません。

仮説としては例えば、コーヒーに含まれるクロロゲン酸は抗炎症作用および抗酸化作用を有し(Dos Santos 2006)、炎症および酸化はうつ病の病態生理に関与している可能性があることが言われています。

第二に、カフェインは非特異的なアデノシン受容体アンタゴニストとして、精神刺激作用を生じうつ病のリスクを下げるのではないかと言われています。

このようにコーヒー(カフェイン)意外にいいな!という感じですが、もちろんマイナスポイントもあります

例えば、睡眠パターンが乱れ子供だと正常な発達を損なう可能性があったり、二次的にコーヒー等に含まれている砂糖入りの飲料を多くとなり、体重増加や虫歯が増える場合もあります(Lim and others 2009)。他にもカフェイン誘発性の頭痛に悩まされる可能性があることがわかっています。

妊娠中には、カフェインを摂取することで胎児の発育に影響が出る報告も多くあります(CARE研究グループ2008)。

また、急性の症状では1時間にコーヒー4杯以上(カフェイン6.5 mg/kg 以上)など一気に飲むことでカフェイン中毒になることもあります。

このように必ずしもカフェインはいい面のみではないので、注意が必要でしょう。ただ、うつのリスクが高い人は1日数杯程度のコーヒーはプラスに働くかもしれません。

 

 

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