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ウィズコロナよりゼロコロナ(LANCETより)

LANCETに出ていたゼロコロナ戦略かウィズコロナ戦略家について。

経済を取るのかコロナ対策をとるのかというトレードオフを前提に考えられている場合があるが、COVID-19への対応においては、そうではないのではないかという話です。

ゼロコロナを目指し、最大限努力をして早期に感染を食い止めた国は経済でもいい結果を残しているようです。GDPの成長率においても新型コロナ排除を目指した国が軒並み高くなっています。排除を選択した国では2021年初頭にGDPの成長率が新型コロナ前の水準に戻ったが、その他のOECD32カ国では成長率が依然としてマイナスである。

厳しいコロナ対策は時として人々の自由を奪うと批判されます。ただ逆説的ですが、OECD加盟国のうち、自由が最も奪われたのはウィズコロナ策を選択した国であり、排除を選択したゼロコロナ策の国では迅速な排除は厳しくはあるものの期間も短いものであった。

ゼロコロナを目指し迅速な行動をした国は、ウィズコロナを目指す国に比べて、経済を守り、国民の自由の制限を最小限に抑えることができている。

COVID-19ワクチンの接種は通常の生活に戻るための鍵となりますが、COVID-19ワクチンだけに頼ってパンデミックを抑制することは、普及のばらつきやワクチンの効果が切れることもあること、ワクチンに効果のない変異株が出ることからもリスクを伴います。

例えば天然痘の撲滅にはワクチン以外にも検査や追跡、隔離対策などを行い10年ほどかかりました。

ロックダウンの期間が長引いたり、いつまで続くかわからないといった不透明性は企業の投資を控え、消費者心理も悪化し経済成長が妨げられます。
政治の優柔不断さと党利を優先した政策決定は、政府への信頼を低下させます。一方、ゼロコロナを選択した国は、ほぼ通常の状態に戻り他国を支援することもできます。ゼロコロナを目指す国々が早期に経済的・政治的利益を得ることは、おそらく長期的には利益につながると考えられます。

https://www.thelancet.com/action/showPdf?pii=S0140-6736%2821%2900978-8

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